【相続した農地】どう活用する?
──転用・売却・賃貸・そのまま耕作の選択肢
親から農地を相続したけれど、どうしたらいいのか分からない。
そんなご相談をよくいただきます。
農地は、宅地のように自由に使うことはできません。
転用・売却・賃貸などを行うには、農地法による許可や届出が必要です。
ここでは、相続した農地の主な活用方法をわかりやすくご紹介します。
1.そのまま使う場合(農地として耕作を続ける)
相続してそのまま農地として使う場合でも、「届出」が必要です。
提出先:農地のある市町村(農業委員会)
提出期限:相続からおおむね10か月以内
添付書類:戸籍・遺産分割協議書・登記事項証明書など
この届出をしないと、登記ができなかったり、
将来の売却や転用の際に手続きが止まることがあります。
また、耕作を続ける以上は、雑草の管理や水路・境界の維持も引き継ぐことになります。
2.農地を転用する場合(駐車場・資材置場など)
農地を駐車場や資材置場などにするには、
農地法第4条・第5条の許可または届出が必要です。
自分で用途を変える → 第4条許可(または届出)
他人に売ったり貸したりして用途を変える → 第5条許可(または届出)
転用できるかどうかは、土地の場所によって異なります。
市街化調整区域では原則として転用はできませんが、
一定の条件を満たせば許可されるケースもあります。
3.農地を売却する場合
農地をそのまま売るには、農地法第3条の許可が必要です。
買主が農業を続ける人でなければ、基本的に許可は出ません。
ただし、転用許可を得てから売却すれば、一般の方への売却も可能になります。
「農地のまま売る」「転用してから売る」では、
手続きの内容が大きく違うため、早めの相談が大切です。
4.農地を貸す(賃貸する)場合
農地を貸すときも、原則として農地法第3条の許可が必要です。
許可を受けずに貸すと、契約が無効になることもあります。
ただし、次のようなケースでは、農地法以外の制度を利用できることもあります。
- 農地中間管理機構(農地バンク)を通して貸す場合
機構が農地を借りて農業者に再貸しするため、許可は不要です。 - 農作業の委託や一時的な利用など、実態に応じて別の制度で処理できることもあります。
どの制度を使うのが適切かは、土地の状況や目的によって異なります。
貸す前に、農業委員会や専門家に確認しましょう。
5.まとめ:放置せず、まず相談を
相続した農地をそのままにしておくと、
雑草の管理や固定資産税、相続登記義務などの問題が出てきます。
まずは「使う・貸す・売る・転用する」の方向性を決め、
それに合った手続きを行うことが大切です。
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相続した農地の届出・転用・売却・賃貸などをトータルでサポートしています。
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