第1種農地に資材置場は原則不可 ―それでも検討対象となり得る「分断・農機具通行不可」のケース―


第1種農地に資材置場を設けることは原則として困難です

―それでも「検討対象」となり得る例外的ケースについて―

第1種農地は、農地法上
「特に良好な営農条件を備えた優良農地」として位置づけられており、
資材置場への転用が認められる可能性は極めて低いのが実情です。

実務においても、
👉 「第1種農地だから無理」
👉 「原則不許可」
と判断されるケースが大半であり、
安易に転用できるものでは決してありません。

ただし、すべての第1種農地が
同一の実態・同一の評価を受けるわけではないのも事実です。

行政の審査では、形式的な農地区分に加え、
👉 周辺農地と一体的に営農できるか
👉 農業上の合理性が実質的に維持されているか
といった 「現況・実態」 が慎重に検討されます。

以下は、
あくまで例外的に「検討の土俵に乗る可能性がある」ケースであり、
許可を保証するものではありません。

① 道路・河川等により他の農地と分断されているケース

国道・県道・河川・鉄道などにより、
他の農地と物理的に切り離されている場合
周辺農地と一体的な営農が困難と評価される余地があります。

【分断と整理されやすい例】

  • 幹線道路・交通量の多い道路による完全分断

  • 河川・横断困難な用水路

  • 鉄道敷・高架構造物

  • 大規模宅地造成地に囲まれた農地

➡ 重要なのは「境界があること」ではなく、
実際に一体的利用が可能かどうかです。

② 周囲がすでに農地以外の利用となっているケース

地目は農地であっても、
周囲の利用実態が次のような場合、
農地集団としての機能が実質的に失われている
と評価される可能性があります。

【具体例】

  • 三方または四方が宅地・駐車場・資材置場

  • 隣接地がすべて既存宅地・雑種地

  • 調整区域だが、非農地利用が連続している地域

➡ 航空写真・現況写真による客観的説明が不可欠です。

③ トラクター等の農機具が現実に進入・通行できないケース

第1種農地の評価では、
「農機具が通常どおり利用できるか」が極めて重視されます。

次のような場合、
当該農地は 農業利用の継続性に著しい制約がある
と整理される余地があります。

【農機具通行不可と評価されやすい例】

  • 接道道路が狭く、トラクター・コンバインが入れない

  • 進入路に急勾配・急カーブがあり安全性に問題がある

  • 水路・側溝があり、農機具の横断ができない

  • 農業用の出入口(乗り入れ)が構造上設けられない

  • 高低差が大きく、旋回・進入が現実的でない

➡ 「道があるか」ではなく、
➡ 「通常の農業機械による営農が現実的か」**が判断基準です。

④ 農業振興上の支障が限定的と説明できる場合

第1種農地で最も重視されるのは、
当該転用が周辺農業に与える影響です。

次のような事情が重なる場合、
影響が限定的と評価される余地があります。

  • 面積が小規模

  • 物理的・機能的に他の農地と切り離されている

  • 用排水や農作業動線に影響がない

  • 将来的な農地集団形成が現実的でない

⑤ 一時転用(資材置場)として整理する方法

恒久転用が極めて困難な第1種農地でも、
期間限定の一時転用として整理することで、
検討対象となる場合があります。

【実務上のポイント】

  • 利用期間を明確に限定

  • 資材の種類・数量・配置を明示

  • 原状回復計画を具体的に提示

➡ 「将来にわたり農地を失わせない」整理は、
審査上の心理的ハードルを下げる要素になります。

⑥ そもそも「第1種農地かどうか」を再確認すべきケース

実務では、
第1種農地と説明されているが、実態評価では微妙
というケースも少なくありません。

  • 農振除外や用途変更の履歴

  • 基盤整備の有無

  • 農地の集団性・連続性の実態

➡ 机上の区分ではなく、
現況・利用実態に基づく判断が重要です。


行政書士としての現実的なスタンス

第1種農地に資材置場を設けることは、
あくまで例外的・可能性は低いという前提に立つ必要があります。

しかし、

  • 分断状況の整理

  • 農機具利用の現実性の検証

  • 客観資料による丁寧な説明

によって、
「検討すらされない案件」から
「協議の土俵に乗る案件」へ変わることはあります。

重要なのは、
希望的観測ではなく、
可能性の有無を冷静に見極める事前調査です。

当事務所では、
安易な申請は行わず、
通る見込みがあるかどうかを事前に整理した上で対応しています。


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